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アナリスト、ディーラーの2021年為替予想まとめ

年末恒例のアナリスト予想

毎年、年末になると発表される翌年の為替予想。銀行のアナリストやディーラーなど、さまざまな方がドル円を中心に翌年の為替レートを予想しています。「当たる・当たらない」はともかくとして、多くの人の予想を見ることで市場関係者のコンセンサスが見えてきます。

コンセンサスはサポートやレジスタンスとしても機能しますし、多くの予想が一致すると市場が膠着しやすくなったりもします。

市場関係者が翌年の市場どう見ているのか、年末になるといろんなメディアで発表される予想記事をまとめた表を作成しています。

ツイッターを振り返ると最初に作ったのは2016年末(2017年の予想)でした。だいぶたまってきたので最新の2021年予想まで5年分をここにまとめて置いておきます。

予想コンセンサスは当たるのか

予想中心レンジも記載していますが、ざっと見て「このくらいかな」という数字です。また、実際にどんなレンジで動いたか、高値・安値も記載しておきます。

「誰が当たった・外した」ではなく、多くの人が予想したコンセンサスと実際の値動きとを見比べてもらえればと思います。

2017年予想

トランプラリーで118円台まで円安が進む中で発表されたのが2017年の予想。そのためか円安目線が多く、130円台を予想する声もチラホラと。一方でトランプの保護主義的政策を警戒して100円割れを警戒する声も。

実際の相場は1月に118円台の高値をつけてからは円高が進行。とはいえ値幅は107円から118円まで10円しかなく、以降も続く低ボラティリティ相場の始まりの年に。

  • 2017年の中心予想レンジ 110-125円
  • 2017年の高値・安値 107.31円-118.60円

トランプラリーによる円安が早々に腰折れ。130円はおろか、120円にも届かず予想よりもやや下ブレした水準で推移しました。

2018年予想

円高・円安で予想が割れた年。円安(ドル高)派の主な論拠は利上げ。一方、円高(ドル安派は米景気の減速が主な理由に。とはいえ、どちらも目線は近く円高派でも105円、円安派でも118円程度が中心に。

実際は104円から114円まで9円99銭の値幅に。米中貿易戦争が相場の大きなテーマに浮上したのは、この年、夏からは関税合戦が始まりました。

  • 2018年の中心予想レンジ 105-118円
  • 2018年の高値・安値 104.55円-114.54円

下限は中心予想レンジに収まったものの、米中貿易戦争でのリスクオフが頻発したせいか上限は予想よりも下めに。

2019年予想

株式市場が軟調で円高が進んだ2018年12月の値動きを反映してか、2019年の予想は円高目線が多数派。とはいえ100円割れを予想する声はありませんでした。ポイントに挙がっていたのはFEDの利上げ回数。

実際の値動きは104円から112円まで8円に満たない狭さ。話題といえば「史上最低のボラティリティ」と1月に起きたフラッシュクラッシュくらいの寂しい1年に。

  • 2019年の中心予想レンジ 104-110円
  • 2019年の高値・安値 104.44円-112.39円

予想する側も低ボラ慣れしたのか、中心予想レンジにほぼ収まったといっていい感じ。

2020年予想

2017年から続く低ボラティリティ相場を受けてか、2020年は保守的な予想が大半。テーマとしては大統領選や米金融政策などが挙がっていました。予想レンジを見ると中心帯は105-115円でした。

実際の値動きはというと、新型コロナが深刻化してきた2月に年間高値の112円23銭をつけて、コロナショックが起きた3月に年間安値の101円18銭をつけてと、1年の高値と安値をわずか18営業日でこなしてしまいました。

  • 2020年の中心予想レンジ 105-115円
  • 2020年の高値・安値 101.17円-112.19円

新型コロナという予想外の出来事があったせいか、予想中心レンジよりも、円高方向に下ブレ。

4年間の予想はどうだったのか

私も年末になると予想を取材することは多いですが「ムチャぶりだな」と思いながら聞いています。1年後の予想といっても、新型コロナのように事前に見えていないテーマが突然、降ってくることも多いからです。

そんな中でも、この4年間の予想をまとめてみると大きく外していない印象です。低ボラ相場が続いたこともあるでしょう。

2021年予想

では2021年の予想はどうなっているのか。ツイッターにも貼った2021年の予想はこちらです。

テーマとしてはコロナの収束、そして世界経済の回復動向が注目されています。ドル円のイメージは「100円割れがあるも切り返して110円方向へ上昇する」といった感じ。為替市場全般に対する見方はドル安が大半なものの、100円割れ定着の予想はわずかです。

  • 2020年の中心予想レンジ 98-108円

正解は1年後。どうなるでしょうか。

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