難しい相場が続く
8日のマイナスは朝だけでヤラれました。仲値直前からロングを入れていたら仲値で下に飛んだ。一撃で300万円以上、持っていかれた。
――仲値通過後はショートがセオリーではないんですか?
55分に向かう値動き次第では仲値後にロングを当てることもあるんですよね。
そのあと10時10分に日銀が国債買い入れオペを減額して下げたのでショート。このニュースが英訳されれば、海外勢が反応してまだ下がるだろうと思ったんですが、英訳されたら上に飛んだ(笑)。これでギブアップです。
僕は米CPIでヤラれました。指標後のボラがある相場はスキャルピングの練習になるし、実力が試されるし、ぜひやるべきと思っていますが、この日は勝てなかった。
指標を打たずして今の相場は攻略できない
――平井さんは指標が得意な印象ですが。
指標は今の相場の特徴が色濃く出る場面でもある。やりやすい相場であれば指標後もやりやすいし、難しい相場だと指標後も難しくなるんです。今は難しい時期だし、この相場を攻略するヒントを見つけたくて最後まで打ち合いましたが勝てへんかったですね。ただ「指標をやらずして今の相場を攻略する糸口は見えへん」とも思っているのでこれからも打ち続けます。
――全体的にボラが低下していますが、経済指標の発表後はまだボラがありますね。
昨日(5月16日)の米小売売上高も高値を抜けていく場面でトレードしましたが、上下に振りながら抜けていくし、抜けても利食わざるを得ないような押し目を作ってから上に伸びていく。簡単には走らないですね。
米ドル/円 1分足
時間を狙うか、動いたあとを狙うか
動きそうな場面を狙うか、動いたあとに対応するかだと思うんですが、動いたあとの2波目=さらなるブレイクを狙うとごっつい負けますね。2波を狙った10分間で今日の利益を全部飛ばしてしまうようなことがある。
――ボラが急に消えてしまう、ということですか?
ランダム性が上がっているんですよね。ボラ自体はあってもノイジーな動きで、最後には2波のブレイクが起きるとしても、それまでのランダム性が高い。
――今の相場では保有時間が長めになっているとのことでしたが、それは変わりませんか?
やってはいけないトレードなんですが、昨日(5月16日)の欧州時間は安値ブレイクを狙って15分足で打ちました。結局、安値を割っても走らないので切りましたが、2時間くらい持ちましたね(笑)。
僕でさえ、今の相場では3分、4分持つこともあります。
「切って切って切って」か「切らずに握る」か
――この相場を攻略するヒントはなにかありますか?
切るか、握るか、どっちかに決めることですね。ブレイクすると思ってもいかない動きが続くと「切って切って切って」と損切りが続き、最後には「もう切らんでええか」と握ったとたんに切らないといけない動きが出て大きく負ける。「最後まで切り続ける」か「最初から切らないと決める」か、そういうメンタルの強さが問われる相場ですね。
「切って切って切って」が続くとどこかで精神の限界がきます。切るか、握るか、一貫性は絶対に必要ですね。僕の結論は長く持つ。
――「切らない」というのも含み損と対峙させられてメンタルによくなさそうですが。
含み益の減少もつらい。含み益が2pipsから0.8pipsに減ってしまったら、いつもなら切りますが、今はノイズだと割り切って耐える。
「切って切って切って」だったら最後まで切る。切らないんだったら切らない。最初から決めておかないといけないですね。