この企画ではバカラ村さんが自身のポジションを公開しているメルマガ「バカラ村のFXトレード日報!」(※9月末配信終了)でのトレードを振り返りながら来週に向けての戦略を教えてもらっていました。メルマガは9月末で終了しましたが、この連載は続きます。どうぞよろしくお願いいたします。
「アウトライン」が示すドル円を売る位置
――先日の投資戦略フェアにお越しくださった皆さま、ありがとうございました。おかげさまで多くの方にご来場いただき、大盛況でした。
バカラ村さんは講演で「米ドル/円は買い目線」と話していましたが、昨日は昨年高値151.94円に迫る大相場になりました。
151円後半まではありえるところですが、もう一段上がると売り目線で見てしまいますね。
高値と高値を結んだラインが152円後半。ここまでくれば売りと思っています。
――高値と高値……? 上昇トレンドでは安値同士を結ぶトレンドラインを使うのではないのですか?
僕もそんなに使うわけではないですが、上昇トレンド中の高値と高値を結んだラインは「アウトライン」とも呼ばれ抵抗線として使われることがあります。
米ドル/円 日足
個人投資家のポジションはどう変わったか
――個人投資家のポジションは売りに傾いていましたから、含み損で苦しんでいる人が多そうです。
昨日(10月31日)は日銀発表から24時すぎの151.72円までじわじわと上がってきました。ゆっくりと損切りが出てきたように見えますが、個人投資家はまだ売りの人が多いでしょうね。
「介入期待での売り」であれば、上がれば上がるほど期待は高まりますから。
――だとすると新規の売りも入ってきますね。
外為どっとコムのポジション比率を見ると、昨日は売りポジションが一気に増えています。介入期待の売りポジションでしょう。
【外為どっとコム ポジション比率の変化】
- 10月30日 売り46%:買い54%
- 10月31日 売り67%:買い33%
米ドル/円「ポジション比率」(外為どっとコム)
151円後半に個人投資家の買いポジ観測
――昨年の介入時は高値での「突っ込み買い」も多かったですが、今年は逆なのでしょうか。
みんなのFXの「売買比率」では151円後半に大きな買いポジションができています。
151.94円のブレイクに期待して飛び乗って買った人も少なくなさそうです。
米ドル/円「ポジションブック」(みんなのFX)
――昨日の深夜2時すぎには70銭近く急落する場面もあり、飛び乗り買いの人は含み損になってしまっています。
もしかすると彼らにストップをつけさせるような動きがあるかもしれませんね。
昨年は「ニック砲」からの介入。今年は?
――となると売り目線に転換ですか?
中長期では上目線のままですが、高値では買いたくない。神田財務官から「(為替介入を含め)スタンバイだ」との発言もあったので、5円ほど下から買い指値をばらまいています。
ただ、介入があるとすればドル売りとなるような材料が出たときではないでしょうか。
昨年10月もFEDウォッチャーのニック・ティミラオスから利上げペース減速のリーク記事(ニック砲)が出た直後の介入だったため、効果が強まりました。
――今夜はFOMC、その前にはJOLTSもあります。
なにがトリガーとなるかはわかりませんが、去年のようにニックからドル安を誘うような記事が出たりすれば要注意かもしれませんね。
トレンド形成には材料不足
――昨日はユーロ/円も急騰し160円をブレイクしました。
クロス円も円安トレンドだと思うのですが、さすがにこの高値には突っ込めないですね。
というのも昨日は日銀もあり動きましたが、為替市場全般、この1か月くらい値動きが止まっています。はっきりしたトレンドを形成するには材料が足りないのでしょうね。
――難しい局面ですね……。
強いていえば円売りですが、介入が怖い。
「米ドル/円は152円後半で売り、介入が入れば買い」と思っていますが、あとはレンジでごちゃごちゃ短期で取引するくらいしか浮かびません。
動くとすればドル高方向だが…
――アメリカは利上げ局面の最終盤だけど利下げはまだ遠い。次に動くとしたら利下げを材料にしたドル安でしょうか?
今の状況で考えれば、ドル高かもしれませんね。ドル安を裏返すとユーロ高ですが、ユーロ圏はPMIが悪かったですし、利上げは難しい。よってお金が流れるとしたらユーロよりも米ドル――。
動き出すとすればドル高方向のほうが可能性は高そうに思えます。
――ドルストレートのチャートはいかがですか?
ユーロ/米ドルは下降トレンドラインを上抜けましたが、英ポンド/米ドルはまだ抜けていません。
ユーロ/米ドルは1.0500付近、英ポンド/米ドルは1.2000から1.19半ばあたりが長期のサポートとなります。
だからこそもみ合いが続いているのかもしれませんが、次に動き出したときにはブレイクを期待したいですね。
ユーロ/米ドル 英ポンド/米ドル 日足
――今は、次の動きを待つ時期ですね。
はっきりしない話で申し訳ないですが、手を出しにくい相場が続いています。
こんなときはムリしてトレードする必要もないと思います。