この連載では日本を代表するスイングトレーダーの1人であるバカラ村さんに注目の通貨ペアやトレード戦略、見通しなどを毎週水曜日に取材し、記事にまとめて更新していきます。
ドル円ショートを保有中
――先日の投資戦略フェアEXPO2024にご来場いただいた皆さま、ありがとうざいました!
大盛況でしたね。ありがとうざいました!
――さて、バカラ村さんの現在のポジションは?
ちょっと前に(3月6日15時ころ)米ドル/円を149.90円で売りました。
――直後に時事通信から「日銀委員に3月解除論=マイナス金利、決定なら利上げへ」とのヘッドラインが出て急落しました。
ただ今のドル円は下がってもすぐに反発してきますね。すでにストップを建値に移動しましたが、その前に利食ってしまうかもしれません。
米ドル/円 5分足
――下がっていった場合のターゲットは?
直近安値の149.20円の少し上、149.30円くらいで利食おうと思ったのですが、手前で反発してしまいましたね。
次に下げてくれば149.20円を割って、次のサポートである148.90円あたりまで落ちる可能性もあると思うのですが。
米ドル/円 4時間足
月末に向け株式市場の上値は重くなる
――ドル円の下目線は継続ですね。
ポジションの偏りが気になっているんですよね。IMMポジションも13万枚の円ショートですし、日本の個人投資家も買いに傾いています。
動くとしたら下だとは思うのですが。
――ここからはイベントが多いですね。
今夜(3月6日夜)はパウエルFRB議長の議会証言にカナダ中銀がありますし、明日以降にもECBなどがありますが、いちばん重要なのは米雇用統計でしょうね。
それに来週金曜日は米国株市場の「トリプル・ウィッチング」(先物、OP、個別株OPの3つのSQが重なる日)です。
「米国株の強さはトリプル・ウィッチングまで」と指摘するレポートが出ていますし、日本でも今週がメジャーSQ。年度末ということでGPIFのリバランス売りも出てくるでしょうし、月末に向けて株式市場は上値が重くなるんじゃないでしょうか。
――株安だと為替市場は?
あまり影響はないかもしれませんが、円売りポジションを手仕舞う材料に使われるかもしれませんね。
ポンドはレジスタンスをブレイクしたが…
――ドルストレートはいかがですか?
気になっているのはポンドですね。昨夜(3月5日夜)の米ISM発表直後にレジスタンスだった1.2700を上抜けましたが、すぐに戻ってきてしまった。
まだ強い形ですし、1.2800くらいまでの上昇はあると思うのですが、やりにくいですね。
イギリスでは総選挙に向けて減税案が浮上しています。景気が上向きインフレが再燃するのだとすれば利下げが遠のき、ポンド高要因になると思うのですが。
――今夜(3月6日夜)はカナダ中銀の会合もありますね。
今回は政策金利据え置きでしょうが、注目は利下げがいつ始まるのか。
これまでの利上げサイクルでは主要国の中でもカナダが先行してきましたから「カナダの利下げが近い」となれば「次はアメリカ」との連想が働きやすくなると思います。
――ありがとうございました!
バカラ村さんのプロフィール
専業トレーダー。日本テクニカルアナリスト協会 検定テクニカルアナリスト。歴代優勝者にラリー・ウィリアムズなどが名を連ねる世界的なトレード大会「ロビンスカップ」では2015年に日本人として初の優勝を飾る。自身のポジションを配信するメルマガ(2023年9月で配信終了)では、2022年から累計1640pipsを獲得した。