この連載では日本を代表するスイングトレーダーの1人であるバカラ村さんに注目の通貨ペアやトレード戦略、見通しなどを毎週水曜日に取材し、記事にまとめて更新していきます。
バカラ村さんのポジションは
――現在のポジションは?
ユーロ/スイスフランのロングです。
――スイスフランについては以前から「大転換」が近いと話していましたよね。
リーマンショックから長い間、下げ続けてきましたが、そろそろ転換するのではないか、と。
これも以前に話したことですが、ユーロについても利下げの織り込みがほぼ完了し、少しでも利下げに疑問を抱かせる発言や、強い経済指標が出るだけでも上がりやすくなっています。
ユーロ/米ドルが節目を割って下げているため、もう少し待ってからエントリーしてもよかったかもしれませんが、近いうちに建値へストップを引き上げてリスクをゼロにするつもりです。
ユーロ/スイスフランの見通し
――建値は?
先週半ばにエントリーしたので0.96台です。その時点では日足がしっかりサポートされていたためです。
――金曜日に中東情勢のニュースでサポートを割りましたが、すぐに戻ってきましたね。
その下ヒゲにより週足は底をつけたように見えます。あとは0.97台後半まで上がってくれれば日足も上がる形となります。
ユーロ/スイスフランの上昇再開は
155円はテクニカル上の節目ではない
――米ドル/円は155円手前で介入待ちの相場が続いています。監視するのがつらくなるようなレンジ相場です。
アラートをかけました。上は154.95円と、下は154.73円です。アラートが鳴るまでは見なくてもいいかなと。
――155円はやはり強い節目なのでしょうか?
152円の節目手前でも膠着しましたが、152円と155円では性質が違うと考えています。152円はテクニカル上でも2回跳ね返された強いレジスタンスでした。
それに対して155円は「バリアオプションがたまっているらしい」「当局の防衛ラインではないか」という確認できない情報によって節目とされているだけ。
155円はテクニカル上の節目ではありません。
――なるほど。あっさりと抜けてしまう可能性もある、と。
そうですね。基本、上だと思いますが、介入が入る可能性もあり、スイングのポジションは持ちづらいですね。
――介入期待のショートはスワップの支払いがきついですし。
しかもゴールデンウィークなので今週の木曜日(25日)朝は4日分のスワップになります。来週火曜日の朝は5日分です(ともにGMOクリック証券の場合)。
26日は米ドル/円を占う運命の日に
――1万通貨で約250円/日なので、4日分だと約10pips相当。大きいですね……。
少し気になるのがアストロロジーです。
24日が満月、25日には水星の逆行が終了して順行に戻るため、変化日となる可能性があります。アストロロジー(金融占星術)に詳しい山中康司さんによれば水星が順行に戻る前後3日間は円高になりやすいとのデータもあるそうです。
――変化日が重なった近辺の26日には日銀があります。
26日には日米のインフレ指標も発表されます。朝8時30分に都区部CPI、夜21時30分に米PCEデフレータです。
ドルインデックス、ポンド、ユーロ
――その他の注目通貨は?
今はドル高でドルインデックスもまだ上値余地がありますが、ドル高トレンドはもうすぐ終わるのではと思っています。
ファンダメンタルズ的に米経済がそこまで強いとは思えないですし、バイデン大統領も選挙へ向けてインフレ対策を打ってくるのではないか、と。
年初から続いたドル高
――英ポンド/米ドルも下がっていますが、反転は近い、と?
英ポンドは動き出すとそのまま走ることの多い通貨です。
「今すぐ英ポンド/米ドルでポジションを取れ」と言われれば売りですが、そうでなければ買いの形が整うのを待ちたいですね。
――買いの形となる条件は?
まだ見えていないので、エントリーするとしても、もう少し先でしょうか。
あとはユーロ/英ポンドが上がっていることも示唆的です。ユーロのほうが利下げが近く、回数も多いはずですが、ユーロが買われているということは、やはりユーロが上がる可能性が高いのでは、と。
その意味でも今はユーロ/スイスのロングを持っています。
――ありがとうございました!
バカラ村さんのプロフィール
専業トレーダー。日本テクニカルアナリスト協会 検定テクニカルアナリスト。歴代優勝者にラリー・ウィリアムズなどが名を連ねる世界的なトレード大会「ロビンスカップ」では2015年に日本人として初の優勝を飾る。自身のポジションを配信するメルマガ(2023年9月で配信終了)では、2022年から累計1640pipsを獲得した。