この連載では日本を代表するスイングトレーダーの1人であるバカラ村さんに注目の通貨ペアやトレード戦略、見通しなどを毎週水曜日に取材し、記事にまとめて更新していきます。
「地政学リスクは戻る」の経験則
――先日はFXコレクティブに参加していただき、ありがとうございました!
たくさんの人が集まり、にぎわっていましたね。
――今週は中東での地政学リスクが高まっています。
昨日(10月1日)からという感じですね。あと数日はリスクオフ的な動きが続くかもしれませんが「地政学リスクは戻る」という印象です。
――本格的な戦争などに至らない限りは、ということですね。
そうです。地政学リスクでの値動きがトレンドとなり続いた記憶はあまりありません。
ユーロ/米ドルは短期レンジを下抜け
――足もとの地政学リスクでの値動きはドル高・円高という解釈でいいですか?
そうですね。ユーロ/米ドルは1.11台でもみあっていましたが下抜けてきましたこともあり、もう少しドル高が続くのでは。
――次の安値は1.10です。
1.10を割るものの1.09台で下げ止まって反転、くらいのイメージです。中期的には1.12を抜けて上方向ではないかな、と。ユーロ圏をみても、ECB高官からは利下げを示唆する発言が続いていますし。
地政学リスクで短期的にはドル高・円高へ
10/27総選挙へ向けた株高期待
――FXコレクティブは石破ショックの翌日でした。
石破政権が誕生し、10月27日に総選挙となりました。総選挙に向けた上昇期待がありますし、米大統領選が控えているものの季節性を考えても年末に向けてリスクオンになりやすい時期に入ります。
そうしたことから今週、日経平均押したところで買おうかと考えています。
――FXではなくCFDですね。どのあたりの水準ですか?
水準はまだわかりませんが、今週中に地政学リスクで下げたところは買ってもいいのではと思います。
アメリカが利下げサイクルに入ってることからも、今月半ばくらいからはポジションをリスクオン方向に傾けてもいいのではと。
新興国通貨に上昇のきざし?
――リスクオン方向でのトレードをFXで表現すると?
通貨ペア選びで迷っています。ただ、アメリカが利下げサイクルなのであれば新興国通貨が買われやすいのではないでしょうか。
そう思って過去のチャートを振り返ってみましたが「米利下げ=新興国通貨高」というはっきりした関係があるわけではなかったですが、基本的な考え方としては合っていると思います。
――新興国通貨というとメキシコペソ、トルコリラ、南アランドあたりですか?
トランプさんが大統領になればペソは怖いですし、トルコリラも問題外。その他の新興国も調べると、タイバーツ(THB)がおもしろそうです。
――タイバーツを扱っているFX口座、ありましたか?
ヒロセ通商でTHB/JPYが取引できます。ただタイバーツは対ドルのほうが、はっきりと上昇トレンドを描いています。
米利下げサイクル入りで新興国通貨高か
――たしかにきれいな上昇トレンドですね。THB/USDはIG証券やサクソバンク証券で取引できるようです。
あまりに知識がないため、今回は選択肢から外して、消去法的に南アランド/円を買いましたが、すでに利益確定しました。
長い目でみて、またどこかで買うかもしれません。
――ありがとうございました!
バカラ村さんのプロフィール
専業トレーダー。日本テクニカルアナリスト協会 検定テクニカルアナリスト。歴代優勝者にラリー・ウィリアムズなどが名を連ねる世界的なトレード大会「ロビンスカップ」では2015年に日本人として初の優勝を飾る。自身のポジションを配信するメルマガ(2023年9月で配信終了)では、2022年から累計1640pipsを獲得した。