1日+40pipsペースで稼いだ
――2022年全体の成績はどうでしたか?
収支の金額だと+2.6億円でした。
僕はヒロセ通商で8000万円超、pipsでは+1万pipsくらいです(全口座合計での収支は非公開)。
――1万pipsということは、年220日で計算すると1日平均+45pipsですね。
1日何pips取ったら1億円に行くのか計算したことがあって、それが1日45pipsなんです。とうてい無理だと感じてましたが、ジュンさんは年間を通じてそのペースで勝ったわけですから、本当にすごい。僕はそんなに取っていないはずです。
業者環境に左右された1年だった
僕は10月で2億円に達したんですが、9月くらいからブレーキを踏んでしまった。スプレッドの悪化に加えて口座凍結もあって自分の取引環境が悪くなり、ロットを落としたんです。最後までバカになりきれず、守りに入ってしまった。
利用する業者の良し悪しの差が大きいほど、打てなくなりますよね。
悪い業者をがんばって1か月押したんですが、いい業者に比べると収益は格段に落ちる。がんばってもこれしか稼げないなら押さんほうが機嫌よく過ごせるなと、9月以降はいい業者だけを打っていました。
でも、その横では「悪い業者も打っていたら収支はもっとよかったはず」という幻影がずっとつきまとうんです。ジュンさんがコロナショックのときに「最後まで押しきれなかった」と言っていたのと同じことを自分が今やってるな、と。実力がまだ足りていないと心から思いました。
約定力の悪い業者はメンタル崩壊のリスクを高める
――いい業者/悪い業者で、それほど違いがありますか?
いい業者の2倍、3倍のロットが打てるんですが、僕の実力だといい業者の2倍、3倍の収益は出せないです。一方で負ける時とかはものすごいスピードで負けるし、個人の実力差が出るところなんです。
僕も今月400pips勝ってる業者もあれば、26pips負けてる業者もあります。同じような場面で打っているつもりでもスプレッドが開くし、約定も違う。変な負け方もさせられる。そういう業者で打っていると「暴走」にもつながります。
ロットが上がることでメンタル崩壊のリスクも高まりますね。
負けの金額が大きくなると、目の前の値動きを見られなくなってしまう。「チャートで取り切るか、負け切るか」というトレードになってしまって、普段なら利益確定するか、逆張りさえする場面なのに「チャート分析ではここまで行くから取り切ろう」と握ってしまう。負けたときも枚数が多いと切れなくなる。FXを難しくする要素ですよね。
「堅く勝つ」か「収支の最大値」を追うか
いちばんは慣れですよね。ロットも慣れだし、「1日いくら勝った・負けた」というのも慣れ。自分は1日の負けが最高120万円くらいしかない。「下への耐性」が弱いトレーダーなのでジュンさんが派手に負けているのを見ると、すごいと思ってしまう。負けが大きいということは勝ちも大きいということだから。
それで言ったらかにぱんさん、週で5000万円負けっていうので長いポジションで食らったりしたのかと思ったら、ほぼスキャルピングでのドローダウンだそうです。打ち切るにしても限度を超えています(笑)。
自分が言うのもなんですが、「堅く勝つ」ことを追うと、僕くらいの収支が限度だと思うんです。ジュンさんにしても、かにぱんさんにしても堅く勝つことを超えて「収支の最大値」を追いかけている。そこが僕との大きな違いです。
――平井さんの目に、ジュンさんのトレードはどう映っていますか?
「そんなにバカになるの!?」っていうほどバカになりますね。伸び切った足でさらに伸びる方向にポジションを持ったり、ひとつのレンジで「上、下、上、下」って負けたら普通は心が折れますがジュンさんは折れない。経験の差だと思います。修羅場くぐってきたんだろうなと(笑)。
最後まで心が折れず、最大値を狙い続けるトレードを夜中の最後の時間までやるって本当に器を問われるんです。
やっと打ち切れた「6回目の大相場」
2022年は集大成でしたね。僕が最初に経験した大相場がアベノミクス。「こんなに勝っていいの?」と戸惑うくらいで、打ち切るどころか「勝ち過ぎたら凍結される」って勝手にブレーキを踏んでもうた。そのとき、アクセルを踏み続けたのがジジさん。そのあとも黒田バズーカ2、ブレグジット、トランプラリー、コロナショックと5回の大相場を経験して、どれも打ち切れず、やっと打ち切れたのが2022年です。
「後悔ないところまでやった」と言い切れるのが2022年ってことですよね。僕は後悔の念のほうが強い。
2022年で自分の許容度が上がったはずだし、その経験があれば次の大相場では打ち切れると思います。
――今年も「日刊スキャル会議」をよろしくお願いします!