この連載では日本を代表するスイングトレーダーの1人であるバカラ村さんに注目の通貨ペアやトレード戦略、見通しなどを毎週水曜日に取材し、記事にまとめて更新していきます。
ドル円は上目線を継続
――米ドル/円は145円を超えてきました。
僕はずっと買い方向で考えています。
日足でも21日移動平均線を超えてきました。21日線は現在、143円台前半です。200日線も同じくらいの水準にあり、ここは昨日(1月9日)の安値でもある。143円台前半はサポートされやすくなっています。
「水星の逆行が1月2日に終わる」という話はしましたっけ?
――12月13日に更新した記事で教えてもらいました。
1月2日はメリマンの変化日も重なっていました。12月はずっと下げていたので、1月2日から反転する可能性もあると思っていましたが、きれいに当てはまりました。
144円割れがあれば押し目買いでいいと思います。
――この先、上はどこまで見ていますか?
短期では147円くらいでしょうか。週足の21週移動平均線があり、上ヒゲや下ヒゲもあって止まりやすい水準に見えます。
あとは明日(1月11日)の米CPI、それに米金利次第ですね。
米長期金利は思ったより下がりました。10月から続いた下降トレンドは終わったように見えますが、かといって上昇するわけでもなく乱高下が続くのかな、と。
米ドル/円 日足
超長期トレンドラインに接近する英ポンド
――その他の通貨ペアでは?
英ポンドが強いですね。
対円では短期的なレンジの上限に張り付いていますし、英ポンド/米ドルも月足、週足レベルの長期下降トレンドラインに接近してきました。
――月足だと近くに見えますが、まだ200pipsあります。
上に抜けてくると見ていますが、その前に一度、1.25レベルがサポートなってから抜けていくイメージです。
英ポンド/米ドル 月足
スイスフランの「大反転」の兆し
――去年の為替市場ではスイスフランが最強通貨の1つでした。今年はいかがですか?
米ドル/スイスフランやスイスフラン/円、ユーロ/スイスフランなどでは1年以上、ずっとスイス高が続きましたが、今年はスイス高の大反転があるのかなと思っています。
――おもしろそうな話ですね!
スイスは経済規模が小さいからか、通貨誘導しても文句を言われません。この数年はインフレを抑えるためにスイスフラン買いの介入を続けてきました。
輸入インフレが収まればフラン高の反転が始まるのではないでしょうか。
――チャート的にも反転が近そうに見えます。
ところが1月8日に発表された12月分のCPIは+1.7%(前年同月比)。11月が+1.4%なのでインフレはまだ収まっていません。
昨年までのスイスフラン高が反転するなら大きな値幅が出るでしょうから、経済指標なども確認しながらチャートが反転をはっきり確認してからエントリーしても間に合うはずです。
――焦らず監視リストに入れておく感じですね。
チャートを見れば反転を狙いたくてしょうがないのですが、トレンドにさからったトレードで何度も痛い目を見ているので、慎重にエントリーしたいですね。
――スイスフランを狙うとすれば通貨ペアは?
ユーロ/スイスフランですかね。5年近く下がり続けましたし、貿易関係も深いため、反転すれば大きいと見ています。
繰り返しになりますが、「今すぐ」ではなくインフレの沈静化を待ってから、です。それは今年後半かもしれません。
――――ありがとうございました! 今年もどうぞよろしくお願いします。
ユーロ/スイスフラン 月足
バカラ村さんのプロフィール
専業トレーダー。日本テクニカルアナリスト協会 検定テクニカルアナリスト。歴代優勝者にラリー・ウィリアムズなどが名を連ねる世界的なトレード大会「ロビンスカップ」では2015年に日本人として初の優勝を飾る。自身のポジションを配信するメルマガ(2023年9月で配信終了)では、2022年から累計1640pipsを獲得した。