この連載では日本を代表するスイングトレーダーの1人であるバカラ村さんに注目の通貨ペアやトレード戦略、見通しなどを毎週水曜日に取材し、記事にまとめて更新していきます。
ドル円は150円台へ乗せるチャートに
――今日(2月13日)のニュースは「日経平均1066円高、34年ぶり3万8000円台」の話題でもちきりでした。

もう少し行きそうな気配はありますが、ここからはさすがに買えないですよね、普通は。かといってこの勢いに立ち向かって売るのも怖い。
――値ごろ感でショートして焼かれた人も多そうです。米ドル/円も149.50円を超えてきました。

ボラティリティは小さいですが、着実に上がってきましたが、ツイッターでは「ドル円ショート」がトレンド入りしていましたね。
――逆張りの人が多いのでしょうか。心配ですね……。バカラ村さんが前回話していた1月5日高値がしっかりとサポートしています。

サポートされるべきところでサポートされてからの上昇なので、上がりやすい形に見えます。
米ドル/円 日足

150円はブレイクできても152円は厳しい
――ただ、今夜22時30分には米CPIの発表が控えていますね。

CPIの数字次第となってしまいますね。
CPIがなければ150円台に乗せるチャートに見えます。下値を切り上げながらの上昇ですし、ファンダメンタルズ的にも日銀のマイナス金利解除はほぼ織り込まれ、FRBもそうすぐには利下げできないでしょうし。
――150円に乗せると3年連続チャレンジとなる152円が見えてきます。

150円は超えられても152円は簡単ではなさそうです。物価高や為替介入が取り沙汰されるでしょうから。
今日読んだレポートでは「151円台では売り」といったことが書かれていましたが、そうかもしれませんね。
異例の極狭レンジが3か月近く続くポンド
――その他の通貨では?

英ポンド/円も強そうに見えますね。185円でサポートされて高値を超えてきました。こちらも強い形です。
――先週は利上げの可能性が急浮上したNZドルも強かったですね。

一時は50%程度まで高まっていた月末(2月28日)会合での利上げ期待ですが、今日発表された期待インフレ率が2年ぶりの低水準となったことで急低下し、NZドルも売られています。
――となると、やはりポンドですか。

注目しているのが英ポンド/米ドルのチャートです。1.25~1.28ドルでの狭いレンジが昨年12月から続いています。
過去のチャートを見ても、この狭いレンジにこれだけ長くとどまっているのは、そうそうありません。
そろそろ動くだろうと思うのですが、これもCPI次第かもしれません。
英ポンド/米ドル 週足

米CPI後にポジションを取るかも。その方針は
――どちらかに抜けるのを待つ、と。

抜けるとすれば上だろうと思っています。日足だと下方向にも見えますが、週足だと上に見えますし。
英ポンド/米ドルが上抜けてくれば英ポンド/円も上がるでしょうし、為替市場全体にボラティリティが出てくるかもしれませんね。
――今のポジションは?

ノーポジションですが、ポジションを取ろうかと考えているところです。
米CPIが強ければ米ドル/円か英ポンド/円のロング、米CPIが弱ければ英ポンド/米ドルのロング――そんなイメージでいます。
――今日もありがとうございました!
バカラ村さんのプロフィール
専業トレーダー。日本テクニカルアナリスト協会 検定テクニカルアナリスト。歴代優勝者にラリー・ウィリアムズなどが名を連ねる世界的なトレード大会「ロビンスカップ」では2015年に日本人として初の優勝を飾る。自身のポジションを配信するメルマガ(2023年9月で配信終了)では、2022年から累計1640pipsを獲得した。
