この連載では日本を代表するスイングトレーダーの1人であるバカラ村さんに注目の通貨ペアやトレード戦略、見通しなどを毎週水曜日に取材し、記事にまとめて更新していきます。
NZ金利据え置きでドル高も…
今日(2月28日)は久しぶりにドル高に動いていますね。
今週はじわっとドル安が進んでいたというか、あまりドルが主役となるような動きではなかったので久しぶりのドル高です。
――ドル高がトレンドになるのでしょうか?
今のところ、そんな感じはしません。
今日のRBNZ(NZ中銀)が据え置きでNZドルが売られ、相対的にドル高となっているだけのように感じます。
――利上げを予想する声も一部であったRBNZですが、金利を据え置いたばかりか、声明文もハト派方向へシフトしました。
もともと利上げの予想はわずかでしたが、他の通貨があまりにも材料難だったので注目が高まったのかなと思います。
たしかにNZは利上げに近い国ではありますが「他の国と比べれば」という相対的な話。NZのインフレは鈍化しつつありますし、RBNZからすればしばらくは様子見してインフレが高止まりするようなら利上げすればいい、くらいの考えでしょう。
――CPIを見ながら、ですね。
利上げがあるとすれば豪ドル?
もし利上げがあるとすればオーストラリアのほうが早いかもしれません。
政策金利はオーストラリアが4.35%。NZの5.5%に比べると低く、利上げ余地があるためです。
主要国の政策金利
材料難のドル円。月末フローに要注意
――米ドル/円は……動かないですね。
昨年末に予想した今年のドル円予想はまだ活きていると思っています。
――上値を152円、下値131.50円とした予想ですね。
152円へ向けて上がったとしても、やはり止められるだろうなと。
考えを改めるとしたら、152円を日足の終値ではっきりと抜けたときですね。
――となると米ドル/円は売り目線ですか?
日本のCPIは低下し、アメリカ経済は強い。そうなるとファンダメンタルズ的には売れないですし、月初には新NISAのドル買いフローが入ると言われています。今は売れないですね。
売りを考えるとしたら、新たな売り材料が出るか、152円手前まで上がったときでしょうか。
豪ドル/円は依然として上方向に見える
――日経平均は高止まりしています。
先週も話したように日経平均のMACDは目先の天井を示しており、いったん調整するのではないかと思います。
ただ日経平均が下がっても米ドル/円が下がるとも思えない。これまで日経平均が上がるとともに米ドル/円が上がってきたわけではないですし、米ドル/円と相関しているのはやはり米金利でしょう。
――豪ドル/円はいかがでしょうか? 先週は99円にタッチする場面がありました。
豪ドル/円の日足はまだ上方向の形が崩れておらず、上がる可能性は残っています。
長期の話になってしまいますが、93円を下回らないかぎり、上がるように見えます。
豪ドル/円 週足
土曜日の投資戦略フェアでお待ちしています!
――早く動きが出てほしいところですね。
明日は月末でPCE価格指数も発表されますし、来週からはスーパーチューズディやパウエルFRB議長の議会証言、米雇用統計などのイベントが始まります。
動きが出ることに期待したいですね。
――今週末、3月2日の投資戦略フェアではバカラ村さん、ナナキさんと私の3人で登壇します。バカラ村さんには来週以降のイベントに向けた戦略をお伺い、ナナキさんには動画でスキャルピングを解説していただく予定です。お時間のある方はぜひお越しください!(お申込みはこちらから)。
投資戦略フェアからFOMCまでの主なイベント
バカラ村さんのプロフィール
専業トレーダー。日本テクニカルアナリスト協会 検定テクニカルアナリスト。歴代優勝者にラリー・ウィリアムズなどが名を連ねる世界的なトレード大会「ロビンスカップ」では2015年に日本人として初の優勝を飾る。自身のポジションを配信するメルマガ(2023年9月で配信終了)では、2022年から累計1640pipsを獲得した。