この連載では日本を代表するスイングトレーダーの1人であるバカラ村さんに注目の通貨ペアやトレード戦略、見通しなどを毎週水曜日に取材し、記事にまとめて更新していきます。
ユーロ/スイスのロングを継続
――現在のポジションは?
ユーロ/スイスフランのロングをまだ持っています。ストップを建値に引き上げて放置常態です。
――先週話していた米ドル/円の152円買い指値は?
米雇用統計後の急落でヒットし、154円台に入れていた利益確定の指値も約定したので、米ドル/円のポジションはありません。
日銀が飲み込んだ9兆円分のロング
――トレードするとしたら買い方向ですか?
金利差もありますし、方向性は上だと思います。
ただ需給バランスを考えると、約9兆円分の買いを為替介入によって政府・日銀が飲み込んだ状態ですから、160円は遠く感じます。
――高値160.25円から安値151.85円の50%戻しが156円ちょうどくらいです。上値メドはこのあたりですか?
4月29日の介入後の戻り高値も156.29円なので、156円台前半が当面の目安になります。
その上は最初の介入後の戻り高値158円。上がっても158円くらいがいいところではないでしょうか。
米ドル/円の高値メドは156円台と158円
高値は買わず下げたところを拾う
――日本の個人投資家ポジションは急速にロングへ傾いたようです。
それも考えると、高値をガツガツ買うのは怖いですね。下がったところは買ってもいいと思いますが。
151.85円割れがストップだとすると、153円あたりで買うイメージでしょうか。
個人投資家ポジションはロングへ転換
152円は強力なサポートとなるか
――おととしから意識されつづけている152円は先週、サポートとなりました。今後も強いサポートとなるのでしょうか。
それについては確信が持てません。152円を高値にしたアセンディング・トライアングルは3回目のチャレンジで上抜けました。 ただ、僕のイメージだとアセンディング・トライアングルは4回目でブレイクするのがきれいな形。
そうであれば152円が今度はサポートになるのでしょうが、今回は3回目でブレイクしているので152円をそこまで信用していいか、迷うところです。
ドル円のアセンディング・トライアングル
損切りが話題の「トラリピ」。活用法は?
――今回の円安では「トラリピ」での大きな損切りが話題になりました。トラリピについてはどんなイメージですか?
通貨ペアの選択さえ間違えなければ、有効な戦略だと思います。
――話題になっているのはユーロ/円での損切りです。
僕ならばクロス円は選びません。トラリピはレンジを前提とした戦略ですが、クロス円は過去に何度もとんでもないトレンドが出ています。
――逆にトラリピ向きの通貨ペアは?
レンジになりやすい通貨ペア、たとえば隣国同士のユーロ/英ポンドや豪ドル/NZドルでしょうか。
それでもたまに大きな値動きが出るので、そのときは素早く逃げる。損切りも必要です。
――ありがとうございました!
バカラ村さんのプロフィール
専業トレーダー。日本テクニカルアナリスト協会 検定テクニカルアナリスト。歴代優勝者にラリー・ウィリアムズなどが名を連ねる世界的なトレード大会「ロビンスカップ」では2015年に日本人として初の優勝を飾る。自身のポジションを配信するメルマガ(2023年9月で配信終了)では、2022年から累計1640pipsを獲得した。