この連載では日本を代表するスイングトレーダーの1人であるバカラ村さんに注目の通貨ペアやトレード戦略、見通しなどを毎週水曜日に取材し、記事にまとめて更新していきます。
ドル円、目線は変わらず。下値余地は限定的
――先週は米ドル/円はレンジから抜け出せないですね。上目線はまだ変わりませんか?
昨日(1月29日)、今日(30日)あたりは月末リバランスでの円買いが多少入っているようにも見えますが、どちらかといえば買い目線ですね。
ただ今週はイベントが多いですし、146円台へ突っ込む可能性は充分あります。ただ下値余地は限定的だとも思います。まずは1月5日の高値145.97円がサポートに変わるでしょうし、そこを割ったとしても145円がサポートになるはず、と。
米ドル/円 日足
――今週は月末週、FOMC、そして米雇用統計ですね。
先週も話したとおり「3月利下げはないだろう」という予想は変わらないですが、このあとのFOMCそしてパウエル議長の発言は、利下げの時期などの明確な発言は出ないと思います。
反対に利上げの可能性も完全に否定しないと思うため、市場は反応しにくいだろうなと。
それに、もしFOMCで動いたとしても金曜日には米雇用統計なので動きが止まってしまう可能性もあります。
カナダドルが米ドルを牽引するか
――ドルインデックスもレンジに入ってしまっています。為替市場全体、膠着していますね。
チャートを見ると、ドル高の形は潰れていないように見えます。ユーロ/米ドルも値動きは鈍いですが、1.05から1.11くらいの大きなレンジの中でまだ下落余地があるように見えますし。
あとはカナダドルですね。4時間足レベルの話ですがカナダドルが強いように見えるんです。
米ドルに引っ張られて動くことの多い通貨ですが、カナダドルが先行して米ドルが追随することもある。カナダドルが強いならやはりドル高なのかな、と考えたりもします。
下値がしっかりしてきた豪ドル/円
――その他の通貨では?
先週注目していたのが豪ドルです。売られていた人民元が切り返して、銅も上がってきた。豪ドルが上がるかもしれないと相関性の面から注目していました。
ただ今日発表されたCPIが悪化し、豪ドル/円はトレンドラインを割ってしまったことで強い形が崩れました。
豪ドル/円 4時間足
――チャートが再び整うのを待つイメージですか?
そうですね。もう少し強い形に整うまで待つか、材料が欲しいところです。
豪ドル自体はポテンシャルがあると思っています。対円なら前回高値の98円前半がターゲットになりますし、それを超えると100円の大台、そしてリーマンショック後高値の102円、105円まで見えてくる。
そこまで一気に行くことはないでしょうが、下値はしっかりきたように見えます。
――今週の戦略は?
今は膠着しているため、デイトレードやスキャルピングで細かくトレードしています。
月末フローやFOMC、米雇用統計の内容にもよりますが、ドルはまだ強いと思うので、米ドルが下がったところで買うのがいいのではないか、と思います。
――――ありがとうございました!
バカラ村さんのプロフィール
専業トレーダー。日本テクニカルアナリスト協会 検定テクニカルアナリスト。歴代優勝者にラリー・ウィリアムズなどが名を連ねる世界的なトレード大会「ロビンスカップ」では2015年に日本人として初の優勝を飾る。自身のポジションを配信するメルマガ(2023年9月で配信終了)では、2022年から累計1640pipsを獲得した。