この連載では日本を代表するスイングトレーダーの1人であるバカラ村さんに注目の通貨ペアやトレード戦略、見通しなどを毎週水曜日に取材し、記事にまとめて更新していきます。
フレグジット煽りで売られたユーロはチャンスか
――プライベートのほうがお忙しかったと聞いています。
昨日から本格的に相場に復帰しましたが、損切りや建値ストップが続いてしまいました。「取り返そう」なんて思うとやられますね。
――ここからのトレードプランは?
今すぐではないですが、ユーロ買いがいいかと思っています。総選挙でのフレグジット(フランスのEU離脱)リスクで売られましたが、現実性は乏しい。
フランス総選挙の結果がはっきりする7月7日(第2回投票。第1回投票は7月7日)へ向けてフレグジットが煽られてユーロ売りが進むようなら、選挙後の買い戻しを狙えます。
介入はまだ遠い。円売りの流れは継続へ
――米ドル/円はどう見ますか?
まだ上目線です。160円での介入はないでしょうし、早くても163円。そこでもまだ入らないんじゃないでしょうか。
神田財務官が退任するにせよ、留任するにせよ円売りの流れは変わらないとみています。
上昇チャネルが162円台前半なので、まずはそこがターゲットですね。その上だと165円でしょうか。
――その根拠は?
N計算値です。23年安値からのN計算値と、今回の円安トレンドの起点となった2022年からのN計算値がいずれも165円近辺で重なります。
N波動のターゲットは165円
豪ドルの上昇に注目
――今日は豪ドルも強いですね。
CPIが前年同月比+4%と強い数字となったことが材料となっています。豪ドルは今年、見向きされていなかったので、チャンスがありそうです。
ただ豪ドル/円はリーマンショック前の高値が108円手前。2回ほど叩かれた重要な節目です。買っていきたいですが、恐る恐るといった感じになります。
――リスクは?
金融ショック的なことで下げやすい通貨ペアでもあるため、その点に注意が必要です。
リーマンショック前の円キャリートレードブームでは3円幅、5円幅での急落が頻発していました。今回はそうした下落があまりないのも気がかりです。
――以前、豪ドル/スイスフランの買いにも着目されていましたね。
チャート的にも底をつけた形に見えますし、今もその考えに変わりはありません。
今年はスイスフラン買いがブームのようにもなっていますが、スイスがそこまで強いようには思えないんですよね。
来週は選挙、経済指標が多い
――今週は月末週です。
四半期末、半期末でもあるため要注意ですね。リバランスの動きは普通に考えればドル売り、円買いなのでしょうが……。
来週7月4日にはイギリスの選挙もあり、アメリカは休場。月初ということもあり来週は経済指標も出てきます。
目先は月末の動きに気をつけながら円売りでOKではないでしょうか。
バカラ村さんのプロフィール
専業トレーダー。日本テクニカルアナリスト協会 検定テクニカルアナリスト。歴代優勝者にラリー・ウィリアムズなどが名を連ねる世界的なトレード大会「ロビンスカップ」では2015年に日本人として初の優勝を飾る。自身のポジションを配信するメルマガ(2023年9月で配信終了)では、2022年から累計1640pipsを獲得した。