この連載では日本を代表するスイングトレーダーの1人であるバカラ村さんに注目の通貨ペアやトレード戦略、見通しなどを毎週水曜日に取材し、記事にまとめて更新していきます。
ドル円、「売ってはいけない相場」に
――今のポジションは?
先ほどまで短期で米ドル/円を売っていましたが、決済したのでノーポジションです。
――今日(10月23日)は152.55円まで上がってきました。その中で売りですか?
152.50円付近で売った本当に短期のポジションです。本来なら、売ってはいけない相場ですね。
――ショートスクイーズによる上昇でしょうか?
今日に関してはそうですね。IMMが円ロングでしたから、その解消もあるのでしょう。
ただトランプさんの当選を先取りした「トランプトレード」が始まっているのだと思います。
「トランプトレード」が始まっている?
――「トランプ当選」を相場が織り込みにきている、と。
相場の軸を米利下げに置くか、米大統領選に置くか、考えていました。足もとでは米長期金利が上がってきました。利下げ中にもかかわらずです。それを軸に考えるとドル高はいずれ止まるはずです。
しかし、トランプさんになれば利上げ観測も大きく後退するでしょうから、トランプトレードが始まっているならそんなのは関係ないという話になる。
今はトランプトレードによるドル高だと考え、米ドル/円は安易に売らないほうがいいと思っています。
――次の上値メドは?
61.8%戻しの153円台半ばくらいですね。この付近はいったん止まるかもしれませんが、しばらくは買い方向だけで考えたほうがよさそうです。
今週末の総選挙(10月27日)、来週31日の日銀会合は円高イベントになると見ていますが、円高になったとしてもその流れが続くかどうかは不透明です。
ドル円、61.8%戻しは153.40円付近
ユーロ/米ドルの下値メドは
――ユーロ/米ドルも下げてきましたね。
パリティ(1.00)を予想する声も増えてきました。ドルインデックスも106ポイントくらいまでは上昇余地がありそうです。そうなると、ユーロ/米ドルは1.06台半ばくらいまで下がる余地があります。
ただ、ユーロ/米ドルは前回安値まで下がっており、さらに1.06台までいくだろうか?と迷っています。
――ユーロ/米ドルのチャートはどう見ますか?
直近ではダブルトップをつくってから下げてきました。
――ダブルトップのターゲットにはすでに到達していますね。
大きくみれば昨年1月からのレンジ上限でダブルトップをつけてからの下落なので、レンジ下限(1.05)までは下がりやすいのではないかとも思っています。
ユーロドル、レンジ下限をめざすか
英ポンドはまだ下落余地がある
――トランプトレードでドル高ということであれば、弱い通貨は?
キウィ(NZドル)はすでに弱さを織り込んだように見えますが、今後まだ弱くなる可能性を秘めているのは英ポンドでしょうか。
――英ポンド/米ドルは、以前教えてもらった超長期のトレンドラインを上抜けましたが、まだ下に潜ってくる可能性もありますか?
超長期トレンドラインがサポートになるかもしれませんが、今トレンドラインを引くとしたら昨年3月、10月の安値を結んだライン。このラインが当面の下落メドになりそうです。
英ポンドはどこまで下げるか?
――ありがとうございました! 今週末、26日(土)は投資戦略フェアです。バカラ村さん、ジュンさん、私も参加するのでぜひ足をお運びください!
投資戦略フェア 開催概要
- 日時 2024年10月26日(土)
- 場所 マイドームおおさか
- 俺的暴威軍のFX戦略 14:45~15:45 JIN/岐阜暴威/バカラ村/ゆかてぃん
- チリが積もって15億 16:15~17:00 ジュンFX/高城泰
- 入場無料 お申し込みはこちら
バカラ村さんのプロフィール
専業トレーダー。日本テクニカルアナリスト協会 検定テクニカルアナリスト。歴代優勝者にラリー・ウィリアムズなどが名を連ねる世界的なトレード大会「ロビンスカップ」では2015年に日本人として初の優勝を飾る。自身のポジションを配信するメルマガ(2023年9月で配信終了)では、2022年から累計1640pipsを獲得した。