この連載では日本を代表するスイングトレーダーの1人であるバカラ村さんに注目の通貨ペアやトレード戦略、見通しなどを毎週水曜日に取材し、記事にまとめて更新していきます。
次の介入、160円接近でキャップするか、165円か
――為替介入がついに入りました。
朝方に売り手のストップを狩るようなバイイング・クライマックスで160円を付けてからの介入でした。
そもそも、その前の日銀が驚きでした。植田総裁があそこまで円安を容認するような態度を示すとは思っていなかったので。円安になるのも当然でしょうね。
――次の為替介入はありそうですか?
次に入るとしたら、160円にキャップするような介入なのか、あるいは資金を大切に使うなら165円か。
米利下げなどでドル安が始まったところで追い打ちをかけるような介入もありえるかもしれません。
目先は155~160円のレンジか
――円買い介入が入っても、円を売る力も強いですね。
円安トレンドを変えるにはFOMCか日銀しかないんでしょうね。
今夜(5月1日)はFOMCですがドル安イベントになるようなイメージはあまりないですし、パウエルさんの発言次第ではまた160円をめざすかもしれません。
円安を止めるには植田さんが利上げをほのめかすような発言をするくらいでは。
――ここからの値動きのイメージは?
目先は155円から160円のレンジとなったイメージでしょうか。155円は届かないかもしれませんが。
次のターゲットは165円、170円台半ば
――現在は34年ぶりの円安水準。160円より上はほぼ真空地帯です。ターゲットはありますか?
N計算値だと165円がターゲットとなります。また週足レベルのチャネルラインは174円近辺にあります。
あるいは長期的に見ると米ドル/円は「50円」を基準に動いています。
N計算値のターゲットは165円
――50円……?
アベノミクスでは75円から125円まで50円上がり、次の大相場も102円から152円までの50円上昇。今回は127円から上がり始めているため、127円+50円=177円をターゲットと見ることもできます。
「50円」に着目すると177円がターゲット
――なるほど。チャネルラインとほぼ同水準ですね。
さすがにそこまで一気に行くとは思いませんが、米ドル/円は買い目線です。
とはいえ米ドル/円は今、ノーポジション。介入リスクもあり、パソコンの前にいるときしかポジションは持ちたくないですね。
152円に買い指値
――指値などは入れていますか?
いちおう介入期待で152円に買いの指値は入れています。
――買い下がり前提の数量ですか?
違います。大きめとは言いませんが、この指値だけでも充分な利益となるくらいの量です。
152円を割らせるような介入があったとしても、ここは強いサポートとなって再び上抜いてくると思うので。
――売りの選択肢はないですか?
売りを考えるとしたら米金融政策なり日銀なりの材料が出たときでしょう。
ユーロ/スイスの買いを継続中
――その他の通貨もノーポジですか?
先週話した、0.96台で買ったユーロ/スイスフランをまだ持っています。
意識としてはスイスフラン売りではなくユーロ買い。繰り返しになりますが6月の利下げが完全に織り込まれているので、多少なりとも利下げ後ずれを示唆するような発言があれば強い巻き戻しが発生する可能性があるためです。
――ターゲットは?
パリティの手前、0.99台半ばくらいが理想です。
――ありがとうございました!
バカラ村さんのプロフィール
専業トレーダー。日本テクニカルアナリスト協会 検定テクニカルアナリスト。歴代優勝者にラリー・ウィリアムズなどが名を連ねる世界的なトレード大会「ロビンスカップ」では2015年に日本人として初の優勝を飾る。自身のポジションを配信するメルマガ(2023年9月で配信終了)では、2022年から累計1640pipsを獲得した。