この連載では日本を代表するスイングトレーダーの1人であるバカラ村さんに注目の通貨ペアやトレード戦略、見通しなどを毎週水曜日に取材し、記事にまとめて更新していきます。
日経平均の圧縮MACDは買われすぎの極へ
日経平均がだいぶ煮詰まってきましたね。
――史上最高値(3万8915円87銭)まで、あと50円に迫る場面がありながらも足踏みしています。
よく使っている日足をギュッと圧縮したチャートのMACDを見ると、過去最高に近いレベルの買われすぎ(下図、青い◯の部分)となっています。
日経平均 日足
――1年前にも同じくらいの水準まで上がっていますね。
昨年6月に3万3000円を突破したときです。その後は今年1月に高値を更新するまで半年間もみ合いが続きました。
今回これで急落するとは思わないですが、昨年と同じようにもみ合いに入るのかもしれません。
――史上最高値更新はおあずけ、ですか?
今度の金曜日(2月23日)は日本が休場なので、海外勢の仕掛けが入りやすそうなんですよね。
想像に過ぎませんが「日本の祝日に日経225先物市場で史上最高値を更新させ、週明けの東京市場で日本人が買ったところで急落させる」といったシナリオは描けそうに思います。杞憂でしょうけど……。
22日6時20分にエヌビディア決算
――明日朝(2月22日朝6時20分)にはエヌビディアの決算が発表されます。
今回は異常な注目度ですね。これだけ注目されるとセルザファクトになりそうな気がしてきます。
日経平均は今日(2月21日)が、米国株は今週末がメリマン(アストロロジーの大家)の変化日でもあります。今週末はいつもより週末リスクを意識したほうがいいかもしれませんね。
――エヌビディア決算を材料にFXを取引するとしたら、どんな通貨ペアがいいのでしょうか?
ちょっと無理があるかもしれません。エヌビディアの株価上昇を手がかりに上がってきた通貨ペアがあるわけではないですし。
もしエヌビディア急落が米国株全体に波及すれば豪ドル/円が落ちそうな気はしますが……。
ドル円はレンジ濃厚も下目線に転換へ
――米ドル/円はいかがですか? この1、2か月、上目線を継続し、実際に買っている場面もあったかと思いますが。
もう上目線ではないです。利下げは充分に後ろ倒しされましたし、さらに先を折り込むにはまだ早い。利上げだとしてもまだ先でしょうし、これ以上のドル高材料はなにがあるだろうか、と。
直近はともかく「半年後はどうか?」と言われれば「下がっているでしょう」と答えます。
ポジションを見ても、米ドル/円を売っているのは日本の個人くらい。IMMも円売りポジションも11万枚まで積み上がっており、いつ崩れてもおかしくない水準です。
ニトリ社長は130円台前半を予想
――「直近はともかく」ということは直近ではまだ高値更新の可能性を残している、と?
152円をトライする可能性はまだありますし、このまま落ちるよりは151円台にタッチしてからのほうが下がる形としてはきれいですよね。
148円台半ばを下回るようだと高値トライは当面おあずけになりそうです。
――バカラ村さんはずっと上目線でしたから、個人的には印象的な目線転換です。
そういえばニトリの社長が「130円台前半まで円高進む」との予想を出していましたね。
――米ドル/円は売りですか?
しばらくは売りでも買いでも取れるかもしれません。つまりレンジですね。
一方でドルストレートは大半の通貨ペアで米CPIでの上げを失っています。ドルの強さにかげりが出てきています。
米ドル/円は高値更新が難しくレンジで、他通貨が強くなりそうなのであれば、クロス円の買いがいいのかもしれません。
利上げの可能性を残すNZドル、英ポンド、豪ドル
――クロス円の通貨ペア選択は?
利上げ予想が出てきたNZドルでしょうか。イギリスも利上げする可能性は残っていて、少なくとも利下げはだいぶ先になるのでしょう。
豪ドルは4月に利下げするとの声もありますが、利上げの可能性も残されています。次が利下げだとしても、おそらく4月よりもずっと先でしょう。
――となるとNZドル/円が有望、と。
利上げの可能性からするとNZドルなんでしょうが、僕はどうしても豪ドルを選んでしまう。
今週も豪ドル/円をロングしていましたが、99円のレジスタンスを前に利益確定しました。ここは長期的なレジスタンスなので、次に買うとしたら抜けてからでしょう。
3/2「投資戦略フェア」でバカラ村さん&ナナキFXさんが共演!
――最後にお知らせです。投資戦略フェア@東京ドームシティでバカラ村さん、ナナキFXさんと私で講演させていただきます。3月2日(土)13時15分からです。
投資戦略フェアの翌週からイベントラッシュなんですよね。
スーパーチューズデーやパウエルFRB議長の議会証言、米雇用統計、さらに翌々週には米CPIがあり19日の日銀、20日のFOMCと続いていきます。
投資戦略フェアからFOMCまでの主なイベント
――そんなイベントラッシュに向けたトレード戦略などを3人で話せたらと思っています。参加は無料なのでぜひご参加くださいませ!(お申込みはこちらから)。
バカラ村さんのプロフィール
専業トレーダー。日本テクニカルアナリスト協会 検定テクニカルアナリスト。歴代優勝者にラリー・ウィリアムズなどが名を連ねる世界的なトレード大会「ロビンスカップ」では2015年に日本人として初の優勝を飾る。自身のポジションを配信するメルマガ(2023年9月で配信終了)では、2022年から累計1640pipsを獲得した。