この連載では日本を代表するスイングトレーダーの1人であるバカラ村さんに注目の通貨ペアやトレード戦略、見通しなどを毎週水曜日に取材し、記事にまとめて更新していきます。
年度末、イースターを前に34年ぶり円安水準へ
――米ドル/円は34年ぶりの水準まで上がってきました。152円まであと3銭です。※取材は3月27日17時台、三者会合実施が発表される前に行ないました。

口先介入も入るでしょうが、植田総裁や内田副総裁など日銀関係者による利上げをほのめかすような発言でないと効かないでしょう。
いったんは152円を抜けるかもしれませんが、一度152円を抜けてから急落する可能性も高そうです。
ただ、繰り返しになりますが、やはりまだ152円が今年の高値となる可能性は捨てていません。
――米ドル/円のオプション関連のニュースも出ていました。

ブルームバーグの記事では150.50円に28億ドルあるとされ、別の記事では152円から152.15円にかけて23億ドルあるとも見ました。152円ちょうどにはバリアオプションもあるようです。
それに今週は期末、かつイースター(3月29日、4月1日は主要市場が休場)でもあるため、市場が薄くなります。
――欧米勢の月末リバランスの動きが今日(27日)、明日(28日)に出てくる可能性がありますね。

そうですね。25時のロンドン・フィキシングに向けて注目です。
イースター休暇の最中となる29日にはPCEデフレータも発表されます。流動性が薄いなかでの発表となるため、要注意ですね。
ドル円、152円チャレンジの行方は
――米ドル/円、チャート的には?

日足はいつ調整が入ってもおかしくない形です。押し目を買うのはいいですが、上値を買う形ではありません。
――米ドル/円のトレード戦略は?

短期であれば152円手前で売り、抜けたら買いといったように細かくトレードするつもりですが、スイングだともう少し上、152円台後半からでないと売りたくありません。
米ドル/円 5分足

「ボリン+RSI」の売り手法
――152円台後半というのは?

テクニカル分析ですね。この2つの条件を満たしたときは売りやすい。
- ボリンジャーバンド +2シグマタッチ
- RSI 80%超え
今はRSIは70%を超えて80%に近づいていますが、ボリンジャーバンド+2シグマは152円台後半にあります。
ボリンジャーバンドの+2シグマにタッチしたら売ってもいいかな、と。
それまでは神経質な値動きが続きそうですからスイングポジションを持つのは不安。デイトレードのほうがよさそうです。
米ドル/円 日足

NZドル/米ドルでの売りを検討
――現在のポジションは?

先週、紹介した豪ドル/米ドルを損切りしたため、ノーポジです。
――次にポジションを取るとしたら?

ドル高になるならば、という前提ですが、NZドル/米ドルでしょうか。週足は上値を切り下げており、日足では0.6220付近で2度、跳ね返されてダブルトップのような形となっています。
N計算値やダブルトップで計算したターゲットは0.59前後。最大でのターゲットなのでそこまで行くかはともかく、あともうひとつくらい売りのシグナルが点灯すれば売ってもよさそうな形です。
NZドル/米ドル 日足

――ありがとうございました!
バカラ村さんのプロフィール
専業トレーダー。日本テクニカルアナリスト協会 検定テクニカルアナリスト。歴代優勝者にラリー・ウィリアムズなどが名を連ねる世界的なトレード大会「ロビンスカップ」では2015年に日本人として初の優勝を飾る。自身のポジションを配信するメルマガ(2023年9月で配信終了)では、2022年から累計1640pipsを獲得した。
