この連載では日本を代表するスイングトレーダーの1人であるバカラ村さんに注目の通貨ペアやトレード戦略、見通しなどを毎週水曜日に取材し、記事にまとめて更新していきます。
ドル円、ドル高と円安の両輪で上昇
――米ドル/円が上がってきました。現時点(1月17日17時)で148円ブレイクが間近なので、取材はあとにしますか……?
いや、ドル買いポジションを昨日(1月16日)手仕舞って今はノーポジションなので、このまま話しましょう。
――わかりました。それにしても米ドル/円は強いですね。
先週も話したとおり、上がるだろうとは思っていましたが、147円を軽々超えてくるとは思いませんでした。
――新NISAで買われている「オルカン」など外国株投信による円売りフローが注目されています。その影響もあるのでしょうか?
それはあると思います。ただ円安による米ドル/円上昇なら豪ドル/円がもっと上がっていい。
豪ドル/円がさほど上がっていないということは、円安もあるもののドル高色のほうがより強いと思っています。円安とドル高の両輪による上昇なの、まだ止まる気配はないですね。
――上値メドはどのくらいを見ていますか?
N計算値のターゲットが149.15円。上昇チャネルも149.20円程度とほぼ同じ位置にあります。テクニカルからは、そのくらいがメドとなります。
米ドル/円 日足
党員集会でトランプ勝利、大統領選の影響がじわりと?
――ドル高の背景としては、行き過ぎた利下げ織り込みの巻き戻しでしょうか?
それとともにアイオワ州での共和党・党員集会でトランプさんが勝利したことも影響していると思っています。
――トランプ優勢=ドル高ですか?
気の早い話ですが、大統領選前後まではトランプさん=ドル高でいいと思います。ただ、実際に就任するとドル安というイメージです。
――選挙前後でドル高というのは2016年、トランプ当選直後のトランプラリーによる円安株高のイメージからでしょうか?
そうですね。今年の年間予想では「8年サイクル」が盛んに言われていますが、より重要なのは大統領の所属政党だと考えています。米大統領は多くが2期8年務めます。その結果、8年サイクルが生まれるのでは、と。
共和党だとドル安傾向、民主党だとドル高傾向になりやすいですから、「152円で8年サイクルの天井をつけたからドル円は下がる」と判断するのではなく、民主党と共和党のどちらが勝つかで来年以降の趨勢が決まるイメージです。
ドル買い、円売りが基本路線。ポンド高にも注目
――今はノーポジとのことですが、次にポジションを取るとしたら?
メインはドル買い、次いで円売りですが、先週話したとおり英ポンドにも注目しています。
――英ポンド/米ドルは超長期の下降トレンドラインをブレイクするのでは、との分析でした。その前に1.25付近への押し目があれば買いたい、とも。
先ほど発表された英CPIが強かったので、底堅くなったかもしれません。英ポンド/円も188円の高値をめざしそうですが、あまり高いところで買いたくないとすれば、やはり米ドル/円でしょうか。
米ドル/円は146円ミドルくらいに1時間足レベルのサポートがありますから、押し目を狙うならそのあたりがメドになります。
――今年は日経平均が強いですが、チャート的にはどう見えますか?
一気に上げてきましたが、大きな調整が入るようにも見えません。押しても3万4800円前後でしょうか。
あとはオセアニア通貨がはっきりしてくれるといいのですが……。昨日(1月16日)、中国の景気刺激策の報道が出ましたが、それでも買われない。次の動き待ちですね。
――――ありがとうございました!
バカラ村さんのプロフィール
専業トレーダー。日本テクニカルアナリスト協会 検定テクニカルアナリスト。歴代優勝者にラリー・ウィリアムズなどが名を連ねる世界的なトレード大会「ロビンスカップ」では2015年に日本人として初の優勝を飾る。自身のポジションを配信するメルマガ(2023年9月で配信終了)では、2022年から累計1640pipsを獲得した。