この連載では日本を代表するスイングトレーダーの1人であるバカラ村さんに注目の通貨ペアやトレード戦略、見通しなどを毎週水曜日に取材し、記事にまとめて更新していきます。
3本連続の同時線と首吊り線
――今日(1月24日)は米ドル/円がジリジリと下がっています。
日足が変な形になってきましたね。高値圏での同時線(実体がなく「+」のような形のローソク足)が3本続いて、日銀会合のあった昨日も長い下ヒゲがついています。
――3本連続の同時線はどう解釈しますか?
同時線は「気迷い十字線」という言葉もあり、反転の可能性も示すシグナルです。それが3本も続いたということは反転に警戒しないといけないかもしれないですね。
昨日の長い下ヒゲをつけた足も「首吊り線」にも見えます。
――高値付近での首吊り線は反転警戒のシグナルですね。
チャート的にはちょっと買いにくい形になってきましたね。
ただ僕は「中段保ち合い」(トレンド途中の踊り場)だと見ています。ファンダメンタルズを考えると上がるのでは、と。
米ドル/円 日足
――来週水曜日はFOMCです。
3月に利下げするならば織り込ませるような発言が出るはずですが、その可能性は低いと見ています。
足もとでは50%程度の3月利下げ織り込み度が低下するとともにドル高が進んで米ドル/円も再び上がるのかな、と。
英ポンド/円は高値更新も続かずチャートは悪化
――他通貨はいかがですか?
いちばん気になっているのが英ポンド/円です。
――これも十字線が3本続いています。
しかも高値を更新しながらの十字線なのでブルトラップでもあります。チャートだけを見たら売りたい形です。
英ポンド/円 日足
一方でユーロ/英ポンドは昨年12月安値を今にも下抜けようとしています。チャートだけなら英ポンド/円の売りですし、短期であればユーロ/英ポンドの売りということになってしまうんですよね。矛盾するようですが……。
スイスフランは押し目買いのチャンスが近そう
――スイスフランはいかがでしょうか。先々週にはスイスフラン高が「大転換」する可能性を指摘していました。実際、スイス中銀のジョーダン総裁はスイスフラン高への警戒感を示しています。
米ドル/スイスフランやユーロ/スイスフランはともに押し目の始まりを示唆しています。
ボリンジャーバンドが広がってローソク足が2σにタッチし、同時にRSIは買われ過ぎを示す水準まで上がっていました。その反転が始まり、押し目を作りにいっています。
米ドル/スイスフラン 日足
――今焦って買わずに押し目ができたところで買えばいい、といういことですね。
ユーロ/スイスフランであれば0.9380フランあたりが目安ですし、0.94ちょうどくらいで切り返すようなら上昇トレンドが強いということにもなります。
ボリンジャーバンドのセンターラインにあたる21日移動平均線を割ってずるずる下がってしまうようなら損切りですね。
――――ありがとうございました!
バカラ村さんのプロフィール
専業トレーダー。日本テクニカルアナリスト協会 検定テクニカルアナリスト。歴代優勝者にラリー・ウィリアムズなどが名を連ねる世界的なトレード大会「ロビンスカップ」では2015年に日本人として初の優勝を飾る。自身のポジションを配信するメルマガ(2023年9月で配信終了)では、2022年から累計1640pipsを獲得した。